本田八夏

MagicBar 猪虎亭 マスターのブログ

悪魔の子

昔、本屋でバイトしていた時の話。
福森店長の下に 陳さんという中国人の主任がいた。

陳さんは30歳男性独身。
大阪で働いて言葉を学びやがて中国で一花咲かせようというものだ。

アルバイトは
俺、近大の藪さん、女子高の洋子ちゃん、やまはげの4人。最年少は俺だった。

陳さんはいわば我々アルバイトの監視と指導だ。

指導と言っても本屋の仕事に難しいものはなく誰もほとんどミスしない上に皆よく働いた。
よく覚えていないが確か時給は720円だった。
自分で言うのもなんだけど、俺は動き回るのが好きだったから一番働き者だったと思う。

ところが陳さん、他の人には優しいのになぜか俺にはスペシャルな態度でからんでくる><
俺には思い当たるふしがないし、採用したのは陳さんだし、なぜ嫌われているのかよくわからない!


入荷した本を棚に並べる作業。洋子ちゃんと俺が担当。

陳主任は洋子ちゃんに、

『あいや~ それそこちかうな~ ひたり、もう少しひたり、そこ^^そこよ。それはトゥラベルの本な、りょこーの棚はBつうろな~^^』

てな具合でやたらニーハオ上機嫌野郎でプッシュする。

俺が 料理の教則本を料理の棚に並べようとすると、

『本田ーーーー!!!!ほんだーーーー!!! そこないっ! ためーっ!ほんだためーっ!りょうりの本そこためーーー!!』

どうやら 教則本のところに並べるらしく、料理のカテゴリーではなかったようだ。

すぐに、すみません!わかりました。と言ってきちんと並べたが
チンチンはまだ俺をにらんでる。
チンチンは俺の並べた本のところに行き、一冊隣の本と俺が並べた本の位置を入れ替えた。

それに何の意味があるのかはわからなかったけど、多分チャイニーズ風新手のいけずであると思う。

10時出勤なので少し早めの9時45分に行く。
タイムカードを押そうとしたらチンチンが

『タメーーーーッ!! ほんだタメーーッ!! 10時ちかう タメッ!!』

どうやら 15分早いと 時給にたされるので 切り捨てられる5分とか10分とか前に押せということらしい。

俺はすぐにすみませんでした。気をつけます。と言って10時ぎりぎりに押したが、チンチン大先生は口の形がもう TA という発声の形にスタンバイしたまま俺をにらんでいる。

俺もたいがい次に タメー! て言いよったらしばいたろか!と心では思っていたけど年配者それも上司に当たる人にケンカを売るのもよくないのでぐっと我慢した!
きっつい言い方で タメーーー!! て言わんでもええのにちゃんと説明してくれたらすぐ理解するわい!
と思いながら毎日バイト生活をエンジョイしたがチンチンの空爆はやむことを知らない。


そんなある日のことバイト休憩中に大便がしたくなり和式トイレの扉を開けたらチンチンがしゃがんで用をたしていた。

その瞬間!チンチンは超高速で首だけ半回転させ俺を見た!
目玉が飛び出しそうなくらい突出していてビックリ仰天丸出しの顔で
タ、タメーーーッッッ!!!! ホンダタメヨー!!! アイヤー!!><

俺はすぐに扉を閉め すみません!!と大声で言った。 が、、、、、

扉の向こうでチンチンはささやくように
『タメ~ タメ~ ホンダタメ~ 』

気まずくなったのか次の日からチンチンのタメ攻撃が若干やわらいだように思う。


いよいよ俺が書店を辞める日、皆が送別会をしてくれた。近所の回転寿司。

陳さんは 作法がわからないらしく、食べた皿をレーンに戻そうとしてたので、すかさず俺は

『タメー!!!! チンチンタメーーーー!! モドス ナイッ! タメーーーッ!! 』と言ってやった。

アルバイト仲間は一瞬凍りついたけど顔はにやけていた^^
やまはげにいたっては笑いをこらえるのに必死の様子。

藪さんが陳さんに切り出した。

『主任はなぜ本田君につらくあたるのですか?』


すると陳は泣きそうな顔で答えた。

『ホンダワナー 面接のトキナー (私 採用アルカ! ウレシイアル) と言ってワタシオチョクッタナー><
オシエテルトキモ (わかったあるよ) と言ったよ!
タイムカードの時はいつも (タイムカード押すヨロシー^^)と言ったヨ!ワタシの気持ちワカルカ!ミンナ! ホンダは悪魔ヨ! チカウカ!』

皆は必死のパッチで笑いをこらえていたが、俺は心から反省した^^


悪の根源はすべて俺だったようだ^^