本田八夏

MagicBar 猪虎亭 マスターのブログ

最高の儀式を作る!

今日は凄くたまに書く手品についてのこと。
僕はいつもふざけているが、今まで本ブログの中に書いてある "手品のこと" は僕の魂であり
強い信念です。いびつで賛成できにくい思想も多々あるでしょうが、
強い思いは48歳になった今もなお燃え盛っています。



カードを四つの山に分けます。
するとそれぞれ山の一番上のカードがすべて A という有名な手品があります。

いろいろなバリエーションがあり、優に100種類以上の表現方法ややり方があると思います。

この手の手品をする時に必要な心得というかコツ、もしくは理由付けみたいなものがあります。

今日は僕個人の考えですが、その理由付けのお話を少し。
手品の方たち向けかもしれないので、わかんない方はうっすら感性だけ察しておいてね^^

一組のトランプ52枚に何らかの形で最初から都合のいい場所に A を配置していたとしましょう。
お客様を誘導してさも自由に四つの山に分けたと思い込ませ、めくってみると ハートA クラブA スペードA ダイヤA わーびっくり!

この一連の動きをかなり事務的にやられるマジシャンに出会いました。

どうですか~! 凄いでしょ~! とせまられました。

ちっとも凄くありません。

『予定』 『セッティング』 『法則』 これらを感じさせたら OUT なんです。

もともとそうなるようになってるのと違うの?

なんてさめたこと言われますよ。当然です。

手品の現象ばっかり追いかけて、技術ばかりに執着したからそんな結果になったのです。

めちゃめちゃ歌がうまいけど抑揚がなくてまったく感情の入ってない歌い方する歌手の唄を聞きたいですか?
それといっしょなんですよ。

問題はそこです。かといってある一定の動きをしなければならないのは事実だから、どうやって
その取り決めごとみたいな動きを自然に見せるかです。

取り組み方について僕の考えでは方法は三つ。

一つ目は、先の方のように徹底的に無機質に事務行為を行う。
僕にとってはこれは究極の論外だが、それが好きな人はどんどんやってください。
人それぞれ美学は違うから表現方法は自由です。
ただ、このやり方を見たとき僕は、10円くらいしか払いたくないな~と思いました。
その演じ方を披露してくれた有名マジシャンが滑稽に思えました。ボロクソ^^


二つ目

これは有効です。
さも規則的な動きをしてないと思わせる方法。偶然だと思わせる行動。

カードの動きとセリフをリンクさせない。
関係ない会話。予期せぬアドリブでリズムをかえる。
四つの山に分ける時などそれぞれ違った行為でわける。
カードをバラバラにしたと思わせるテクニックの導入。

とかいろいろ、、、、これらを規則的かつ 不規則に演じればかなり有効な ” 偶然性 ” が生まれてくるかもしれません。

そして三つ目!
これが僕独自の考え方で、ちょっと間違ってるかもしれないけど実質僕が何十年も行ってる誇りをもった演技理論!

《儀式にしてしまう!》

祭壇があって教祖がおり シンメトリーに花と台座が並び、
無国籍な衣装に身を包んだつり目化粧の女が

天魚ーサンサン ドリ線曼荼羅 かんかんゴーせんびょすくー。

とか言うてたらもうそれだけで 圧倒されてしまう。
もしその女が規則的にカードを配っても違和感より、こわいもの見たさがうわまわり、人の心はプロセスよりも
結果を優先して先走ったビジョンを頭に描いてしまう。
そうなればもう誰も予定調和を疑うものなど出てきません。

ただ、僕のようにマジックバークラスでそんなことしたら、アホを見る目で見られるかもしれないけど、
そこはやりきる勇気と信念です。

僕はもう20年以上

♪ハンニャラマンガンデンゲンゴンゲンデンタラベンベンジョンガラムー!ジョンガラムー!

と手品の最中に唱えている。

ご存知の方はご存知だと思いますが、僕はやたらと声がでかいので
結構なパンチで儀式感をかもしだします。

シンコペーションでセリフに入り、やや意味のわからない呪文をまぜ、
適材適所で音楽を使い、 決してスタートラインをさとらせない。

1、2、3ハイ! なんて言わないということです。
目線で突然キッとにらみ半呼吸で
♪ハンニャラマンガンデン、、、、、、、

とはいるわけです。

それと重要なのが ストーリー。

なぜカードをそのようにわけなければならないのかという理由を裏付けるストーリー。

弟子が僕に手品を見てくれと言います
カードを混ぜるとき三種類の混ぜ方をしなければいけない手品の時に、最初は事務的に普通に混ぜ方を変えていました。
お客様からも
『なぜ混ぜ方を変えたの?』と突っ込まれます。

今僕がやらせているのは
にさんこ前のネタでアフガニスタンの民族性と一枚しかめくれない宗教性をアピールしておく。

いろんな国の混ぜ方をご覧に入れます!というストーリー。
宗教の盛んな国アラブでは国家意識統一のためカードをこんな風にしか混ぜることができません。
ですがヨーロッパ諸国、特にイタリアは変態性が強く、裏表ぐちゃぐちゃにしてしまいます。。。。。。

とかなんとか言ってストーリーが進み、最初に申し上げたアフガニスタンは 一枚だけしか混ぜられない国。
最初に布石を打っておいたアフガニスタンの混ぜ方を紹介すると言って、引いたカードだけがひっくり返るトライアンフを完成させます。

文章にするとまどろっこしいですが実際やってみるとなかなか面白いアプローチになります。

まあ好き嫌いですから、そんなんが嫌いな人は徹底的に嫌いでしょう。
好みです。
僕は手品の中にファンタジー、スリル、サスペンス、不思議そして驚きがないといけないと思っています。

いやっ! むしろ思ってると言うより、自分の手品道はそうでなければ意味がないと考えています。

何日か前に無機質な手品を見たので思いついて今日の日記を書きましたが
どの手品もすべて 儀式にしてしまってはいけません。

結婚式は儀式ですがそのあとのお決まり披露宴はプチ儀式、さらに二次会は極薄の儀式!三次会なんてのは
アドリブなのです。

一番感じたのは 手品のことしかわからん奴の手品は本当に面白くないな~と言うことです。